<事案>
B社は一般の個人の方に対して、機械(農作業に使うもの)を販売している会社です。現金と引き替えではなく、先に機械をお渡しして、後日その代金をいただくという販売をしていました。
B社は、これまでたびたびお取引いただいていたお客様(「甲さん」とします。)に、新たに機械を購入していただき、その農機具を甲さんに納入しました。
ところが、甲さんはこの機械を購入後、これまでの代金の残額(約400万円)については支払いをせず、むしろこれまでの支払済の金額をごまかそうとしてきました。
B社が何を言っても返済をしてくださらなかったので、今回ご相談に来られました。
<解決に至るまで>
B社の売買代金残額を支払って貰うために、まず弁護士が甲さんに内容証明郵便を送付し、至急支払うように請求しました。
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しかし、甲さんは、もう支払ったと言ってみたり、B社に支払うからと言ってみたり、痴呆のふりをして分からないといってみたりして、一向に話がすすみませんでした。そこで、甲さんを相手として、裁判を提起しました。
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甲さんは裁判の中で、領収書を偽造・変造をして、それを証拠だとして出してきたり、法律的に意味が分からない主張や証拠(と甲さんはいうもの)を出してきたりしました。こちらとしては、丁寧に領収書の偽造・変造を立証し、甲さんの主張に対しても反論を加えていきました。その甲斐があって、裁判では無事勝訴判決を得ることができました。
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その上で、勝訴判決をもとに甲さんの預貯金を差押えました。
加えて今回販売した農機具も差押えをしようとしたところ、預貯金の差押えに驚かれたのか、残金を支払うと明言され、無事和解をすることが出来ました。
<解決のポイント>
まず、甲さんは話し合いの段階から不誠実な態度に終始していたことから、裁判という場に引っ張り出したのが良かったと思います。つまり裁判だと、証拠の偽造・変造に対して、水掛け論にならず、明らかに出来るためです。
また、甲さんの態度と資力から推測して、勝訴判決後速やかに預貯金の差押えをしたのも良かったと思います。おそらく差押えまでしないと、また言を左右にしてなかなか支払わないということをする恐れがあったためです。