事業の継続・拡大においては、資金調達や助成金を活用していくことが重要です。様々な対応方法がありますが、的確な手段や方法を理解して実施することが重要です。
資金調達のために必要なこと
資金調達の手段・融資方法
資金調達の方法は大きく分けて以下の種類に分類できます。
- 株式を発行する
- 金融機関などから資金を借り入れる
- 必要性が薄い資産を売却する
- 無駄な経費を削減する
以下では(2)について詳しく説明していきます。
資金調達するために
資金調達するためには、調達先つまり金融機関の信用を得る必要があります。
そのために設けているのが貸付基準です。調達する側としてはこの格付けをより高くする必要があります。そのための効果的な方法としては、会社の実力を高めることや貸借対照表をスリム化させることなどが挙げられます。
事業に必要のない資産など無駄なものは処分することがポイントです。
その他に有利に融資を受けるためには以下のポイントも押さえておく必要があります。
1.金融機関の貸付基準のクリア
自己資本比率15%以上
自己資本比率=自己資本/総資産
総資産が赤字の状態、つまり総資産より総負債が多い「債務超過」の場合には原則として融資を受けることはできません。債務超過になっているようであれば、まず増資をするなどして状況を改善する必要があります。
流動比率100%以上
流動比率=流動資産/流動負債
資金を融資する側としては返済可能かどうかをみることは必然であり、その場合に着目されるのが短期の返済能力です。融資側はそれを流動比率で見ます。その比率は一般的には200%以上が望ましいとされ、100%以下の場合の経営状態は極めて厳しいと判断されます。
自社の流動比率を把握しておくことが重要です。
返済償還年数15年以内
債務償還可能年数=借入金/償却前経常利益
借入金を返済財源である償却前経常利益で割ることにより、返済可能年数が判定されます。
この数値も把握しておくことが重要です。
2.資金運用表の用意
資金運用表とは、連続する2期分の貸借対照表を比べて、その1年間に資金がどのように動いたかを見ることができるものです。
即ち、その間にいくら資金を調達し、どのようなことにいくら支出したかが示されるので、資金の運用状況を分析するのに適しています。
資金繰りの本来の目的は、不足資金の調達にあるのではなく、資金不足の根元を解決することにあります。
資金繰り表は、資金の出入りを現しただけであるため、その過不足の状態を把握できても、その原因までをつかむことはできません。
つまり資金繰り表だけでは、本来の資金繰りの目的を果たすことはできません。
資金運用表によって以下の項目を分析検討することができます。
- 資金調達の手段
- 資金運用の方法
- 資金調達・運用の適正さの確認
- 資金調達の長・短期のバランスの適正さの確認
分析を通して、問題点を把握し、修正手段を捉え、適切な資金計画を通して健全経営に結びつけることが目的といえます。そういう意味で資金運用表が活用されます。
資金運用表作成に当たっての必要資料は以下の通りです。
- 貸借対照表(前期と当期分)
- 前期末の利益処分に関する資料
また金融機関との融資取引に際しては多くの資料を用意する必要があります。
- 銀行取引約定書
- 保証約定書
- 定款
- 商業登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 直近決算書3期分
- 個人調査書
- 口座振替依頼書
- 営業許可書
このほかにも取引に応じて提出しなければいけない書類がいくつかあります。
金融機関や融資条件によっても異なってきますので、専門家へのご相談をおすすめします。
当事務所でサポートできること
当事務所では資金調達・助成金申請に関する相談対応を実施しております。
事業継続・拡大に向けて資金調達が必要な企業様は、まずお気軽にご相談ください。