<事案>
自社で製造・販売している商品が、他社の特許権を侵害しているとして、損害賠償請求された事案です。 相手方からは製造の特許違反・製品の特許違反。製品の回収・販売の差し止め・逸失利益の請求がされました。 X会社としてはこの製品が売上の三割程度をしめており、相手方の主張が認められると壊滅的な損害を被る危険がありました。 そのため、この特許侵害訴訟は社運をかけた戦いとなりました。 同時にX海佐者の販売会社という重要な取引先も訴えられたため、取引先の信用をまもる意味でも重要な訴訟となりました。
<結果>
相手方が自社特許の文言について解釈を二転三転させたが当方としては悉く、反対の証拠となる実験をおこない反証を試みました。 物質の特性から熱硬化性樹脂である性質を本質に遡って主張し、これを照明する実験を検査会社に依頼して立証に努めました。 一つ一つの化学用語が通常の意義とは異なるので、ひとつひとつ言葉の意義を明確にすることから作業が始まったのでかなり膨大な時間を要しました。 しかし、一つ一つ丁寧に言葉の意義を確定して論証した結果相手方の主張をほぼ完全につぶすことに成功しました。 6545万円の賠償を求める訴訟を提起されましたが、控訴審まで争った結果、特許の侵害はないとの判決となり、相手の請求が全面的に否定されました。
<解決のポイント>
物理学的な専門知識を要したため、技術者と入念な打合せを行い、内容の理解に励みました。特許専門部であっても裁判所は内容を充分に理解できておらず、裁判所に言葉の意味から定年に説明して尚かつ、検査結果をもって反証するという活動に腐心した上での判決でした。とにかく、裁判所に専門的な内容をわかりやすく伝えるように務めました。